※本記事では、難病を患っている者が書いている記事になります。他のブログ記事とは違い、確かな実体験と信頼性のあるストーリーであなたのお役に立つことができれば幸いです。

少なからず、この記事を読んでいる方は難病持ちの方かもしくは家族、恋人が難病持ちの方ではないでしょうか。
そして、難病と仕事の両立が厳しい状況の中で「悔しいけど仕事辞めるか、、」と真剣に悩んでいることと思います。
実は僕も18歳から難病を患っています。潰瘍性大腸炎という病気です。
先に言うと、僕は難病と仕事の両立が厳しいと判断し仕事を辞めると言う選択を取りました。
今回の記事は、難病を患う僕が「仕事を辞めるべき?」と言う悩みについて確かな実体験と信頼性のあるストーリー、これからどのような選択をしていくべきなのか?について回答していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
【自己紹介】潰瘍性大腸炎という難病を患う
まず初めに、僕のことをカンタンに知っていただきます。
信憑性を高めるために、顔や経歴全て公開します。上の写真は僕です。仕事を辞めた後自由を手にしたときの一枚です。(調子乗っててスミマセン、。)
☑️僕の経歴を公開していきます。以下をご覧ください。
2016年:潰瘍性大腸炎という難病を患う(高校の修学旅行中に発覚する)
2017年:トヨタ自動車工場に就職する
2018年:潰瘍性大腸炎が急激に悪化し入院する(3ヶ月間絶飲絶食を経験)
2020年:難病と仕事との両立に厳しさを覚えトヨタ自動車を退職する
ざっとこんな感じです。
潰瘍性大腸炎が悪化し3ヶ月間入院した時は、過酷な日々でしたし、会社を休んでいるため同期とのレベルで差が出たり、職場の人間関係がギスギスとして職場にいづらくもなりました。
また、入院した3ヶ月意外にも急な体調不良で休むことも多々ありました。
そういった中で、難病と仕事の両立、人間関係、出世を総合的に判断した結果『仕事を辞める』という選択を取りました。
そして今は、フリーランスとして運送業やライティングの仕事を全て自分でやっています。
潰瘍性大腸炎について詳しく知りたい方は「【潰瘍性大腸炎】ストレスで悪化した実体験|解消法をご紹介します」をご覧ください。
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【潰瘍性大腸炎】ストレスで悪化した実体験|解消法をご紹介します
出典:Pixabay こんにちは、潰瘍性大腸炎5年目のたくみです。 「潰瘍性大腸炎ってストレスで悪化するの?」 このような疑問を抱えている人はいませんか? 潰瘍性大腸炎は、はっきり言って明確な原因が分 ...
続きを見る
以上で僕の自己紹介は終わりです。
【実例】難病で仕事を辞める人の理由5つ
僕の場合、仕事を辞めるきっかけになった理由は「両立の厳しさ・人間関係・出世の厳しさ」の3つです。
では、僕以外で同じ難病の人たちが仕事を辞める理由を箇条書きで挙げていきます。
・健康管理の難しさ
・重労働の厳しさ
・夜勤など生活リズムの不安定さ
・職場の人間関係
・難病への理解・優遇さ
この中で一番多い理由が「難病への理解・優遇さ」でした。
会社によって様々ですが、会社の風潮的に「風邪でも休まず働くのが美徳」という会社は特に当てはまります。
順番に解説していきます。
健康管理の厳しさ
難病とは目では分かりにくい病気が多いため、他の人から理解されづらいことがあります。難病の人は、健全な人より多く休憩をとる必要があることや、体調管理をしっかりしていても体調を崩すことも珍しくありません。
そのため、しっかり体調管理に努めていたのにもかかわらず「あいつは体調管理ができていないからだ」「あいつは難病という口実があって良いよな」など心ない言葉を言われていたりします。
なので、休憩や時短勤務などの配慮がありません。その結果無理して頑張り体調を崩してしまうのです。
重労働の厳しさ
難病の人は重い荷物を運ぶ仕事など、重労働の業種には不向きです。しかしもともと重労働の業種に勤めている場合、無理して頑張ろうとし体調を崩してしまいます。
また、職場の人は難病の詳しい事情を知らないため、構わず仕事を降ってきたりもします。難病のことを知らないのは当然だし、仕方ないことではありますが、分からない限りでも「この仕事できそうかな?」と聞いてくれたりする配慮をしてほしいものです。
しかし、他人を変えることはできないため自分が変わるしかありません。その結果「仕事を辞める」という選択になるでしょう。
夜勤など生活リズムの不安定さ
難病の人は生活リズムが少しでも狂うと体調を崩しやすいです。
人間の生活リズムは「朝起きる→夜に寝る」が一般的ですが、看護師や工場勤務などをしている方は交代勤務をしなければいけない人もいます。
週ごとに働く時間が昼夜逆転するため生活リズムが崩れます。健全な人でも交代勤務は体に負担がかかるのに難病の人はさらに負担がかかります。
その結果、体調を崩し「仕事を辞める」という選択を選ぶ方が多いです。
職場の人間関係
難病の人は頻繁に体調を崩し会社を休むことが多くあります。その時に会社が難病への理解がない会社だと、「あいつまた休みらしいぞ」「ずる休みじゃないのか?」「あいつだけずるいな」など嫌味を言われたりすることがあります。
体調が戻り会社に行った時には、なんだか居心地が悪い空気になっていることに気づき、職場の人たちと気持ちよく接することができなくなります。
その結果「仕事を辞める」という選択をとる方が多いです。人間関係が良くないと仕事も楽しくありませんよね。
難病への理解・優遇さ
最後に、仕事を辞める理由が一番多い「難病への理解・優遇さ」です。
今まで説明した理由のまとめ的になりますが、そもそも会社が難病への理解があれば体調不良で休んでも「快くOK」されますし「大丈夫か?無理せんようにね」と優しく配慮してくれます。
次の日会社に行く時も「苦」ではなくなりますし上司や同僚とも良い関係で仕事も再開できます。
なので全ては、会社に難病への理解があるかないか?ココが重要だと思います。もしあなたが就職・転職を考えているならばココを重要視して見ると良いかもしれませんね。
難病で仕事を辞めるか悩んだら〇〇
先ほどでは、難病で仕事を辞める人の5つの理由について解説しました。
ここまで読んできたら、次のような質問がくると思います。

この質問について回答していきます。結論から先に言うと、
悩むくらいなら、仕事を辞めるべき。
あなたが働いている会社が「難病への理解・配慮」がないのであれば、今すぐにでも辞めるべきでしょう。
もし仮に、あなたが訴訟を起こして難病への理解・配慮を訴えたとします。そして受け入れてくれると言う結果になったとしても、受け入れられるまでにずいぶん時間と労力がかかります。
また、社員一人一人にその考えが浸透するまでにもかなり時間もかかります。
もしあなたに「待つ」と言う選択肢があれば良いのですが、僕個人の感想では待てるはずがないです。その時間と労力を訴訟に費やすのであれば、転職活動を行って難病への理解・配慮がある会社を探すことに費やした方が効率が良いし、無駄にストレスを抱えなくて良いと思います。
難病の人が働きやすい環境の取り組みが義務化されている
実は、2016年度から「障害者の雇用の促進等に関する法律」が改正されました。それが以下の通りです。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」の改正により、2016 年度から障害者手帳の有無にかかわ らず、長期的に職業上の困難を抱えている難病のある人について、障害者の差別禁止及び合理的配 慮の提供義務が課せられることになりました。これにより、本人が職場で活躍するために、職場で 支障となることについて改善を求めた場合、事業主は本人とよく話し合い、過重な負担にならない 範囲で必要な配慮をすることが必要です。 難病というだけで不採用にしたり就労禁止にしたりすることは、合理的な理由のない差別的な取 扱いになります。 「難病=働けない、雇用できない」という先入観を持たず、事業主や職場の上司・同僚等が丁寧 にコミュニケーションをとることが必要です。
カンタンに解説すると、難病の人が働きやすい環境を提供することが義務化されているため、難病への理解・配慮に努めている会社が増えてきていると言うことです。
つまり、今いる環境が全てではなく仕事を辞め視野を広げると、もっと難病への理解・配慮がある会社に巡り合えることができるのです。
仕事を辞める時は不安かもしれませんが、一度辞めてしまえば「今まで悩んでいた自分がばかだったな」くらい思うでしょう。
難病の人はどんな業種で活躍しているのか?
一般事務職や多様な職種・条件下で活躍している。
一般的に難病の人が向いている職種条件は以下の通りです。
・必要な通院ができる
・休憩ができる
・重労働が少ないetc.
難病の人の就業率
難病別で一般の就業率と比べたところ『原発性免疫不全症候群、もやもや病、潰瘍性大腸炎(UC)クローン病、再生不良性貧血(障害者手帳なし)』では、性別・年齢ごとの就業率とほぼ変わりないか90%以上です。
また、『パーキンソン病、脊髄小脳変性症、全身性強皮症(障害者手帳あり)、多発性硬化症 /視神経脊髄炎』では一般の就業率の同じ性別・年齢と比べて50%以下というデータがあります。
このデータからして疾病ごとに就業率に違いがあり、軽症者であれば一般就業率とほぼ変わらないか90%以上の割合で働けていることが分かります。
【難病別】仕事のジャンル具体例
難病別で仕事の就業率は分かったけど、じゃあ具体的にどんな仕事をしているの?という疑問が出てくると思います。
難病別で詳しくご紹介していきます。
難病別 / 就労している仕事(例)
ベーチェット病 |
手帳無し |
•技術職(看護師、介護士、税理士、システム開発) (22%) •サービス業(スーパー、書店店員、園芸店)(11.1%) •事務職(総務人事部、会計士など)(11.1%) |
手帳有り |
•マッサージ師(はり師、あん摩マッサージ指圧師、きゅう 師)(38.9%) |
|
重症筋無力症 |
手帳無し |
•一般事務職(営業事務、経理事務)(22.9%) •技術職(情報処理、相談員)サービス業(美容師、調理師 等) |
手帳有り |
•技術職(看護師、文筆業、保健師)(26.3%) •製造業(プレス加工、菓子製造)(21.1%) •事務職(HP制作、自営業事務)(15.8%) •サービス業(知的障害者支援)(10.5%) |
|
多発性硬化症/視 神経脊髄炎 |
手帳無し |
•事務職(電話受付、銀行員、コンサル、会計業務、商品発 注)(24%) •技術職(保育士、記者、ケアマネージャー、ソフトウェア 開発)(20.0%) •サービス業(美容師、不動産業) |
手帳有り |
•技術職(機会設計、研究者)(19.4%) •事務職(地方公務員、営業事務、銀行員)(19.4%) •サービス業(ホームヘルパー、カフェ店員)(13.9%) |
|
全身性エリテマト ーデス |
手帳無し |
•一般事務職(総務人事部、OA操作)(23.8%) •サービス業(看護師、社会福祉専門職、保育士等) |
手帳有り |
•技術職(製品開発、実験助手)(27.8%) •一般事務職(総務、医療事務、顧客情報管理)(19.4%) •経理事務、入出荷事務職(11.1%) |
|
強皮症、皮膚筋 炎/多発性筋炎 |
手帳無し |
•一般事務職(受付事務等)(18.8%) •技術職(薬剤師、記者、看護師等) •事務職(会計事務、来館者受付等) |
手帳有り |
•技術職(臨床検査技師、建設設計)(44.4%) •一般事務職(サービス業事務、帳簿記録)(33.3%) •生産工程(設計、トレーサー)(11.1%) •運送、清掃、包装等(11.1%) |
難病別の就労している仕事(例) |
||
潰瘍性大腸炎 (UC) |
手帳無し |
•一般事務職(16.9%) •技術職(弁護士、看護師、獣医師) |
手帳有り |
•一般事務職(医療事務、電話受付、事務処理)(40.0%) •技術職(看護師、安全衛生管理)(20.0%) •一般事務以外の事務職(人材派遣業)(10.0%) •サービス業(訪問ヘルパー)(10.0%) •保安職(夜間警備員)(10.0%) |
|
クローン病 |
手帳無し |
•一般事務職(14.7%) •技術職(研究者、臨床心理士等) |
手帳有り |
•一般事務職(17.4%) •事務職(税務申告、内部監査サポート)(10.1%) •技術職(情報処理、通信技術者SE、ソフトウェア開発) •専門職(ジムトレーナー、不動産鑑定士等) |
|
もやもや病 |
手帳無し |
•技術職(栄養士、看護師、産科医師、翻訳家、保育士等) (22.9%) |
手帳有り |
•運送、清掃、包装等の仕事(17.4%) •製造業、加工処理(10.9%) •技術職(医師、マッサージ師) •事務職(商品管理、ファイリング、書類作成、病院受付等) |
|
パーキンソン病 |
•技術職(看護師、税理士、教員、機会設計)(28.1%) •一般事務職(人事事務、受付案内等)(12.5%) •管理職(社長、事務局長)(12.5%) •パーソナルコンピューター操作員(9.4%) |
|
後縦靭帯骨化症 |
•事務職(予算管理、受発注業務等)(21.2%) •一般事務職(福利厚生業務等)(12.1%) •看護師(12.1%) •管理職(学習塾運営、会社管理職) •技術職(農業、相談員、教員等) |
|
脊髄小脳変性症 |
•技術職(研究、教員、司書、特許文献サーチ)(24.0%) •調理師(老人ホーム調理師、保育園調理師等)(20.0%) •一般事務職(保育日誌、業者対応、OA事務)(12.0%) •製造業(機械加工品検査、チラシ看板作成)(12.0%) •事務職(資材調達、データ入力)(12.0%) |
このデータはあくまでも比較的多い仕事の例になるので、これ以外のお仕事に就いている方もいます。僕は潰瘍性大腸炎(UC)ですが、UCの中で一番多い職種は『一般事務職(医療事務、電話対応)40.0%』ですが、僕がこれ意外の職種で製造業や運送業もやっています。ライティングの仕事はおそらく技術職になるかとは思いますが。
なのでこのデータはあくまでも参考程度に思っていただけると良いと思います。
治療と仕事の両立支援【厚生労働省より】
平成28年2月、厚生労働省が「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を発表しました。
カンタンに言うと、難病者が治療と仕事の両立ができるように会社に就業場の措置や配慮をさせる取り組みです。
治療と仕事の両立支援のため企業が取り組むべき環境整備
会社が取り組むべき環境整備3つです。
①研修などによる両立支援に関する意識啓発
②相談窓口の明確化など
③休暇・勤務制度の整備
治療と職業生活の両立支援はあなた自身が会社に提出する必要があります。
個別の両立支援の進め方は写真の通りです。
個別の両立支援の進め方手順
- 労働者が会社に申し出る
- 会社が産業医などの意見を聞く
- 会社が就業上の措置などを決定・実施
両立支援プランを活用することで、会社と難病について話す機会ができ通院や休暇などの理解や配慮をスムーズに行ってくれるようになるのでとても安心ですよ。
まとめ
今回の記事は、難病を患う僕が「仕事を辞めるべき?」と言う悩みについて確かな実体験と信頼性のあるストーリー、これからどのような選択をしていくべきなのか?について回答していきました。
最後にポイントを確認しましょう。
仕事を辞めるか悩んだら〇〇
・悩むくらいなら仕事を辞めるべき
・難病への理解・配慮がある会社を探すことに費やした方が効率が良い
・「待つ」が無駄にストレスを抱えるだけなのでやめておいた方が良い
特にこの後大事なとことは仕事探しです。
難病への理解・配慮がある会社に巡り合うことですよね。
しかし、求人サイトを見ても表向きのことしか書いておらず判断しづらい・・と言う悩みが出てくるのではないでしょうか。
今回解説した環境整備や両立プランが備わっている会社を選びたいですよね。
最後になりますが、難病・障害者の方のための転職エージェントをご紹介して終わります。
難病・障害者の方のための転職エージェント【エージェント・サーナ】。
・入社前後の安心フォロー
・ウェブ面談あり
・2ヶ月以内の内定60%
難病・障害者の方のための転職サイトなので求人を出している会社も難病・障害者への理解・配慮がある会社なのです。また、一般的な求人サイトでは公開していない非公開求人を取り揃えているのがエージェント・サーナの強みです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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